詳しく調べてみると、これは「決定論(人間の行為も含めてあらゆる事象、出来事が何らかの原因によってあらかじめ決められているとする考え方)」というそうです。そして、決定論について考えるとある問題にぶつかります。それは、
「すべてが決められている中で、人間に “自由意志” は存在するのか?」
という問題です。
現在の刑法は人間に自由意志があることを前提にして作られており、その責任を問う形で刑を適用するかどうかを判断します。
しかし「人間に自由意志は存在しない」とした場合、「責任」という概念そのものが消失してしまうのです。
この考え、社会的には非常に危ういと感じます。責任の概念が無いということはつまり、
・僕が毎日ダラダラと過ごしているのも決められていたこと
・あいつが成功しているのも努力の結果ではなく決められていたこと
・僕が犯罪を犯すのも決められていたこと
「だから仕方ないことなんだ!!!」
……ということになってしまうのです。
これだと社会秩序を維持するのは難しいでしょう。なので現実社会は「人間に自由意志があると想定して」構築されているのだと思います。実際僕たちも自分自身に意思があると感じて生きていますしね。
しかし現在、科学的には「自由意志は存在しない」という考えが主流みたいなんですよ。だとすると先に挙げた、
・環境によっては、誰もが凶悪犯罪を犯すかもしれない
という死刑廃止派の意見は重要になってくる気がするんですよね(ただそうなると、死刑だけでなく全ての刑罰を廃止しなければならなくなるんですけど……)。
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