俺の論説にしては珍しく、日本をサゲてアメリカをアゲるような論調になってるが、
これはあくまで「戦略的発想の有無」に限っての話だし、
なおかつ、近現代の日本と限定的に比較しての話である。
その戦略的発想にしても、一部の天才の知能に頼る程度で済ますアメリカの姿勢は
決して最善を尽くしているとまではいえない。日本相手には成功したとされる占領支配も
近年は世界中で失敗続きだし、GAFAやマイクロソフトIBM等によるIT支配もまた
天才の助けを借りて一時は成功しながら、また停滞を招くような事態に陥っている。
天才なんていつの世でも少数派だし、その能力の継承もまた安定的ではあり得ないのだから。
時には他国から徴発までしてくる必要があるような、ごく一部の才能に頼るまでもなく、
万民が国を保つ礎となること。道徳教育の徹底などによって人々の思慮分別を底上げ
した上に、帯刀のような有職故実の工夫によってそれを保守して行くことこそが、
数百年単位で国の安定や繁栄を確立する決め手となる。
逆に、日本人はそのような嗜みを剥奪されたからこそ、近代以降はタガが外れたように
並みの外人以上の無鉄砲と化してしまった。戦略的なものの考え方や生き方も知ってはいるが、
それを形式上から禁止されてしまったものだから、思慮を巡らせる意欲をより損ねてしまった。
後に残ったのは、船頭多くして船山に登ることも辞さない同調圧力の強さのみ。
これもまたかつての戦略的能力の残滓でこそあるのだから、払拭を志すよりは、
また正しいハサミの使いように持ち直して行くことこそを目指すべきである。
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