実用主義が最低劣の民度を招く


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010 2020/03/03(火) 11:04:47 ID:WNRa2RzFjM
刀剣に限らず、あらゆる工芸品を精魂込めて作り上げて行く職人文化。
日本以外にも上等な工芸品を作り込んでいる国はいくらでもあるが、
量産品に至るまで高い水準を保つことにかけては日本こそが今も昔も随一である。

その工芸水準の高さが、戦後には工業生産の分野にも応用されて、
「MADE IN JAPAN」といえば高品質で低価格の代名詞ともなった。

安価な量産品でも作る以上は手を抜かないか、もしくは手の抜き方を
よく考えて、実用上の問題を来たすことが決してないようにする。
トイレットペーパーがミシン目に沿ってまっすぐに切れたり、
レジ袋が絶対底が抜けたりしないように作られていたりするのもその一例で、そこまで
物作りへのこだわりを欠かさないことが、引いては物欲の制御にも一役買い続けているといえる。

しかし、工業生産というのは所詮、物品の宝物的価値を否定した所で
成り立っているものに過ぎないから、そればかりに終始していれば
どうしたって物欲の洗練度が目減りして行くことになる。

便利機能を盛りだくさんにしたせいで、かえって使いにくくなってしまった
日本メーカーの家電などよりも、最低限の機能に特化した代わりにより安くした
中韓メーカーの家電のほうが世界的なシェアを奪取してしまっているのも、
そもそも工業製品というものがその程度で十分なものだからこそ。

物欲洗練の材料にするのならば、最低でも工芸品以上ではあるべきである。
工業製品がどんなに高価でも、それなりの物量投入(生産ラインを含む)があるからだし、
寸分違わず同一の製品を量産しているものだから、所有に欠けての満足度も必ず低い。

小さな皿や湯呑み程度であっても、精魂込めて職人が作ったワンオフ品であれば、
豪華客船やジェットなみの工業製品にも勝る宝物的価値を帯びるものである。
そこにこそ楽しみを見出せるか否かが、本人の品性を段違いに様変わりさせることとなる。


ふぅ

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