他人に迷惑をかけることなく人生を全うすることを、
現代人は主に貯蓄に頼ろうとして来たが、それは間違いだった。
年取ってから老病で医者や介護頼みになるのを、
若い頃からの積み立てで埋め合わせるというマッチポンプ自体が
世の中に多大なる負担をかけ、少子高齢化や国の借金の増大によって
国を傾ける元凶にまでならざるを得なかった。
そこには、人としての最善がなかった。
長生き自体はめでたいことであるにしても、それを健康寿命が尽きながらの
社会福祉頼みで実現するような怠慢さでは禍福も反転し、若者にさっさと
死んでくれることを心中で乞い願われるような老害と化してしまう。
あくまで健康と共に長生きし、それが無理なら野たれ死ぬのでも構わないぐらいの
殊勝な心がけがある者にだけ、「福寿」というものもまた賜われるものだった。
人間、誰しもが世のため人のための仁徳盛業に励めるほどよく出来てはいないが、
常識があれば最低限、人に迷惑をかけることなく生きて行きたいぐらいには考えるもの。
しかしそれすらもが、健康長寿に義務意識を抱ける程度の向上心があるのでなければ務まる
ものではなかった。ここの所は、小市民を自認するような徒輩でろうとも反省すべき点である。
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