「所帯持ちを勝ち組の特権にする」という悪手

たとえば、シベリア抑留並みの極悪環境で働かされている
北朝鮮からの出稼ぎ労働者なども、母国で妻子や親族を人質同然の状態で
留め置かれているものだから、安易に逃亡や亡命をすることができないでいる。

所帯を持つということは、むしろ底辺の貧者にも最低限の責任意識を持たせて、
牛馬のごとく働かせるためにこそ必要となる、世の中の側にとっての功利手段なのであって、
それを、ある程度社会的に成功した人間や美男美女だけの特権にしたりすれば、
勤労意欲も出生率も下がって、世の中が停滞してしまうのが必定というものである。

「男女精をあわせて、万物化生す」（易経・繋辞下伝）
「男女(同)室に居るは、人の大倫なり」（孟子・万章章句上）

それは個人の情欲などではなく、天下国家の繁栄のためにこそ必要なことである。

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官僚のトップでも子育てに失敗する時代に、
いったい誰が子育ての成功を保証されるというのか？

必要なのは立場の上位さなどよりも、「ダメ元」の覚悟のほうであろう。
所帯を持つ敷居がもっと低ければこそ、英一郎みたいな子供でも自立できる可能性が高まるのだし。

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