強きを挫き弱きを祐ける心


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001 2019/11/19(火) 20:04:24 ID:kRwdcYYQ6c
何度かここで掲示したこともある、俺の高祖父(曾曾じいさん)。
幕末に10代で、本格的な武家教育を受けていた最後の世代。

それも、ただの武家ではなく「目付」としての高等教育。
目付というと、武家時代の諜報員だの警察だのと、歪んだ印象が一部で定着しているが、
その本分は「監察」であり、不手際を犯した武士への切腹処分などがその代表例。

同業者に容赦なく引責自殺を強いたりする厳酷な職分なものだから、
並みの武家以上に儒学や武芸の厳しい修練に務め、俸禄もあえて切り詰める。
うちの先祖にも、城勤めの上士からあえて下士に自主降格したりとか、
高祖父が武者修行相手を木刀試合でとっちめたなどの逸話がある。

そんな家に生まれ育った高祖父が、明治以降には平民としての生活を余儀なくされた。
幕府から支払われた、今なら数千万円程度に相当する慰労金を、
あろうことか金貸しとしての元手に使い、あっという間に全額を霧消させた。

武家の中の武家、スーパーサムライとしての性分によっては、
困っているような相手ならどんなに信用できない相手にも低利でやすやすと
貸し捨てるような真似をせずにはいられなかったらしく、
周囲からも「到底今の世の中でやって行けるような人種ではない」と見咎められて、
山奥で神官と漢方医を兼任するような余生を細々と送ったという。

強権者にも引責自殺を強いるような者こそ、弱者には優しい。
ただ、そんな人間は本格的すぎれば、今の時代には到底生きていられない。
「強きを挫き弱きを祐く」ほど、「言うは易く行うは難し」なことも他にないといえる。

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022 2019/11/23(土) 20:52:13 ID:EwuGoX7ivY
傘地蔵は犯罪者になりそうになった事ある?

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023 2019/11/23(土) 21:44:51 ID:D.oTHz98ak
>>22
そんな根性あったらこんな所でうだうだ言ってないと思うよ?

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024 2019/11/23(土) 23:12:58 ID:aJkb68OcaM
お、そうだな

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025 2019/11/24(日) 00:37:21 ID:QrDoMslsZI
>>6
この絵(テレビの映像?)最高だ。神秘に満ちた効能とキャッチコピー、
さらに市川のお助け爺さんなる謎の固有名詞も。もしも複製があれば、
額に飾って毎日眺めていたい。

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026 2019/11/24(日) 09:27:27 ID:gba0xGaeh.
>>21
すぎちゃんの言いたいこともよくわかるが、
俺が言ってることとは根本的に似て非なる部分がある。

勧善懲悪の求道者が、濁世で変人のように見えるのは、
あくまで歪んだ世の中で真っ直ぐさを貫こうとしているからであって、
別に自分自身に人としての欠陥があるからではない。

仮に世の中のほうが正されて、万人が自分を模範とするようになれば、
それで世の中も恒久的な平和と繁栄に与れるだけの完璧無比さをも帯びていること。

少なくとも、方向性としてはそれを目指していて、欠陥相殺型の超人や天才で
あることなどを目指してもいないし、そんな身の程であるようなら己れを恥じて、
欠陥の部分の人並み以上への回復も欠かさないようにする。

それでもなお、世の中の側が歪んでいるために、変人に見えてしまう。
完全に、世の中の側にのみ落ち度があるタイプの、表面的な変人。
そういった人々こそを、欠陥相殺型とも区別して尊ぶべきなのである。

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027 2019/11/24(日) 10:20:07 ID:gba0xGaeh.
歪んだ砥石と平滑な砥石を摺り合せれば、
どちらにとっても相手のほうが歪んでいるように思われる。

そんな主観の相対化などに惑わされることなく、
歪んだ砥石は今の世の中のほう、平滑な砥石は自分のほうであると
言い切れるぐらいに、自分のほうがまっすぐであるように。

自分のほうが平滑なのだから、歪んだ側に摺り合わせられて
自分までもが歪んでしまうようなことだけは決してないようにする。
その分だけ世の中から変人扱いされてしまうのは、もう仕方がない。

自分もまた歪んでいるから変人扱いされるようなら、
その分だけの自己修正には取り組むべきである。

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029 2019/11/24(日) 13:08:58 ID:gba0xGaeh.
今みたいな、人々の恭敬意識を損ねて、悪意や怠慢を助長しまくっている世の中では、
むしろ欠陥相殺型の超人や天才のほうが、見る者のルサンチマンを
刺激しないぶんだけ、完璧超人などよりも受け入れられやすいといえる。

アメコミや洋画のヒーローもだいたい難病や辛い過去など闇の側面を帯びているし、
日本の漫画アニメなどでも、あまりにもご都合主義的な強キャラのヒーロー等は批判される。

ちゃんと完璧超人であるだけの根拠が描写できていればいいが、
作家のほうがそこまでの人物であるようなことがまずないから、
空想のキャラにもかかわらずではなくだからこそ、闇の描写もあったほうが説得力が生ずる。

弘法大師や宮本武蔵のような完璧超人も、空想以上に現実にこそ存在するものだし、
大用現前不存軌則、どんな小説よりも奇なる意表を突いた様相で現れるはずである。

そういう人間を迎え受ける上で最も必要なのも、不可思議こそを尊べる配慮、
オッカムの剃刀の破棄でこそあるといえよう。

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030 2019/11/24(日) 15:56:41 ID:gba0xGaeh.
東大やハーバードを出て、政府高官のような有力者になるエリートもまた
欠陥相殺型の精神病質ばかりだから、世の中のイジメ体質をより深刻化させてしまう。

かといって、ポルポトみたいな落第生に全てを任せてみた所で、
これまた文化文明の著しい廃退を招いてしまうようなことになりかねない。

この世の手綱を握る者たちが、最上級の知性と徳性を両立した人間であること、
人並みはずれて頭がいいからといって、愚民を欺く我田引水を好んだりしないこと。

そのために必要なものこそがほかでもない、西洋化によって過去の遺物扱いを
受けていることが多い「精神力」の養生である。特攻玉砕のような無鉄砲ではなく、
知徳の両立を高い次元で達成維持するためにこそ、人並み外れた精神力が要る。

精神力こそは、儒学や仏学といった東洋の学問の修養によって着実に養われるもの。
それにより、個々人のまぐれ当たりなどに頼ることなく多人数の精神力の底上げが叶い、
知徳に優れた多くの人々に、永年にわたって権力の座を守らせ続けられるようになる。

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031 2019/11/24(日) 19:20:29 ID:gba0xGaeh.
男たるもの、完璧超人に必ずしもなれんのでも、目指すぐらいはしろや。
女やないんやから。

どんなに現時点で無能や低学歴や低位職や低収入だろうとも、その志しがあるのなら俺は尊ぶし、
どんなに有能や高学歴や高位職や高収入だろうとも、その志しがないようなら俺は卑しむ。
老若男女を問わず、人の鑑み方についてはかくあるべし。

人品の列位もまた、
実際に完璧超人である者 > 完璧超人を志す者 > 有力だが志さない者 > 無力で志しもしない者
だ。後2つは、有力さが有害になるようなら順位を入れ替えてもいいぐらい。
前2つの有力さが有害に転ずるようなことはないはずだし。

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032 2019/11/24(日) 19:30:47 ID:Qqf7eeFx0c
根本の部分で考えが違っているが、俺は完全無欠や勧善懲悪といったようなものは存在しないと思っている。
多分こっちの方が東洋思想に近いと思うけど。
人間ていうのは必ず歪んでいるし、善人でも悪人でも必ず生命のバイアス、偏向が存在している。
はたまた錯視でも分かるように、環境や見る位置、立場によって物の見え方は違ってくる。
何が善で何が悪かも同じ様なものよ。

>欠陥の部分の人並み以上への回復も欠かさないようにする。
何かを得るということは何かを失う事であり、何かに気づくと言うことはそれまで見えていた何かが見えなくなると言うこと。
人間が全てを得ようとするのは傲慢なこと。

世界一貧しい大統領と言われるホセ・ムヒカやマハトマ・ガンジーも人格者だと思うが、彼らも若い頃はやはりそれなりに奇抜な人間であったようだ。

本当に優れた精神力の持ち主は、やはり自分の限界を知るし干渉するのも極力嫌う。高度の智性は観察に行き着く。世間も観察するし自分も観察する。
そして自己完結する。今この時を観察して自分の精神を健全に保つことに徹するんだ。
そしてそういう人間は結果、影響力に劣るようになる。文化、精神の感染力としては俗物の方がずっと優れてるから世間は大体俗物に満ちたままになるのさ。
でもそれも仕方のないこと、人間や生命というものがそういう性質の生き物で、そういう方法で繁栄してきたから。

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033 2019/11/24(日) 19:44:06 ID:gba0xGaeh.
そんな心がけの悪さでいるものだから、白鵬にも負けるべくして負けておるわな。

完璧超人なんてものに、当然そうたやすくなれるはずがない。
なれないながらに最低限、自分が生きていられているこの間ぐらいは、
できる限りその境地に全身全霊をなげうって近づいていこうとするあり方こそは、
人間という生き物にとっての最大級の真摯さをも帯びている。

その真摯さを死ぬまで絶やさないぐらいのことは誰にでも可能だし、
そのようでいられる限りにおいては、自らの能力を悪行に振り向けるような
こともなくて済むはずである。その心がけ自体が一種の「虫よけ」になるから。

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035 2019/11/24(日) 20:28:17 ID:gba0xGaeh.
人間が生きてるうちにできる最大級のことは、
完璧超人になるか、もしくはできる限りその境地に近づくことである。

完璧超人を目指しもせずに、致命的な欠陥持ちのまま
できる範囲のことをしようとするのは、本人の主観に基づく
最善ではあるかもしれないが、客観的な最善などでは決してない。

主観の赦しによって楽な余生を享受する老害は必然的に、
影響力を保つ限りにおいて我田引水の危害を世に撒き散らし続ける。
その知性がどんなに高邁で、苦難の末に勝ち取ったものであろうとも。

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036 2019/11/25(月) 19:01:00 ID:bQNHSYWSKw
どんなに学業やら仕事やらスポーツやらで功績を積もうとも、
「es ist gut(これでいい」などと、自らの領分を勝手に見限るようなら、
その傲慢さのせいで今までの苦労も水の泡となる。

人としての最善を必ずしも尽くしてはいないが故の罪悪感で、
年取っても欲求不満の塊のままでしか居られず、そんな態度の大人気なさを
目の当たりにさせられた周囲の人間も、ろくに敬うことができない。

そのため、会社の重役なり病院の院長なり大学教授なりの、
マウントを取って陶酔に浸ることができる相手(部下や患者や学生)がいる
現役のポストにいつまでも居座り続けて、度し難い老害の典型ともなる。

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037 2019/11/25(月) 19:18:59 ID:bQNHSYWSKw
とみ新蔵著「剣術抄・武蔵伝」
すでに決闘続きの半生を脱し、老境の域に達した宮本武蔵が鍔師に弟子入りし、
進んで下っ端の立場からの手習いに興じている姿。

武蔵自作の鍔というのも現存しているから、本当にこんなこともあったかも知れん。
本物の完璧超人か、完璧超人を生涯目指し続ける者であればこそ、
かような態度の恭しさでもいられるはずである。

(ちなみに画面右側に見切れている俺所有の鍔にも刀傷があり、
本式で打ち鍛えられた鉄鍔は刀剣による斬撃にも十分に耐えることができる。
昔の鍔師が材料となる鉄板の鍛え具合からこだわっていたのも本当)

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