バブル崩壊後の日本の、主に東京で、経済成長の伸び悩みや消費の冷え込みとは
相反するかのように、ニョキニョキと雨後の筍のごとく生え揃ってきた高層ビル群。
そのうちの特に最大級のものは、大体が東証一部上場の大手企業の本社ビルであり、
高度経済成長期やバブル期に使用していた旧社屋が老朽化して建て直したものである。
耐震設計にも万全を期しているから、見た目以上に多額の費用をかけて建てられている社屋群。
その管理維持費や融資の返済費、賃貸の場合の賃料なども馬鹿にはならず、それが昔は
世界的な新機軸をも多数打ち出してきた日本企業に新たな冒険を憚らせる原因にもなっている。
消費をより冷え込ませて国の経済成長を鈍化させるほどにも内部留保を溜め込んで、
社員の給料をさほど上げることもできなかったりする原因の一つでもある。
よく「貧すれば鈍する」というが、これは不正確な慣用句であり、より正確には
「債務あれば鈍する」である。貧窮して鈍磨するのも債務超過に陥ってる場合であり、
そうでなかった実例が、貧しくも毅然としていた昔の日本人など。たとえ金余り状態だろうとも、
それなりに諸々の債務を負わされている今の日本企業のように鈍重化してしまうこともある。
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