ここまで高年層の軽薄文化を批判しておきながら、
別に今の若者の文化を賞賛してやろうというつもりもない。
俺も前に、テクノ法要や自衛隊ブースが見たくてニコニコ超会議に行ってたんだが、
法要の他にも歌舞伎とか落語とか相撲とか将棋とか、
日本の伝統文化に接近しようとする姿勢があるのはまだ評価ができる。
しかし、全体としてはやはり現代日本なみの軽薄さであって、
伝統文化のほうもなんとかそんな状態の若者に擦り寄ろうとしてる状態。
アニメとかゲームとかの、今の若者に特有の文化だけを見れば、
そもそもそれらで若者が十分に満足している風にも見受けられない。
自分たちの人生を投影する文化にしてはあまりにも脆弱すぎて、
世知辛い世の中を力強く生き抜いて行く心の糧にまではなっていない。
それに値するだけの文化があった点では、確かに年寄りのほうが恵まれていた。
軽薄でドメスティックで西洋かぶれだろうとも、社会的に成功する気概に
なるほどの充実さがあった点では今よりも上等だった。
かといって、そんな年寄りのあり方をそのまま若者が倣うこともできない。
西洋文化にももうそれだけの魅力はないし、東洋文化も純正品はまだ疎遠すぎる。
カネのなさなんかよりも遥かに致命的な喪失がそこにはあるのである。
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