世代で言えば団塊世代からバブル世代、70歳〜50歳ぐらいの年代に
極端に多く見られる性分なのが「ドメスティック西洋かぶれ」。
戦後日本の経済発展は、敗戦によるアメリカ支配下で講じられたものであるため、
文化生活の西洋化と不可分なものだった。畳と和服と米の生活を旧態依然なものとして
忌み嫌い、椅子と洋服とパンこそはこれからの時代のトレンドだと思い込んで来た。
しかし、島国日本の閉鎖性自体を払拭するようなことまではなく、
敗戦による自信の喪失からも、かえって対外的な社交性は損なわれた。
にもかかわらず無理な西洋化を志した結果、自分たちの都合がいいように
西洋文化を取り入れては遊興材料にするのが主となり、数多の和製英語などと同じく、
世界に全く通用しないドメスティックさを帯びた西洋かぶれが板につくこととなった。
それが、一概な経済発展と共に楽しめたうちはまだ良かったものの、
バブル崩壊以降は興ざめとなり、ネットの普及やリーマンショックの後には
本場の西洋文化のほうも退廃化してさほど見るべきものがなくなったものだから、
氷河期世代以下の若年層には、さほどそのような性向が見られない。
平成も終わり、戦後世代がほぼ世の中の全てを占めるまでに至った今、
このドメスティック西洋かぶれという性分の有無こそが、バブル世代以上と
氷河期世代以下の間に、最大級の価値観からの断絶をもたらしているといえる。
実際、客観的に見てもろくな性分ではないが、
氷河期以下の中若年も伝統文化を尊重するような高尚な精神性を
持ち合わせているとかいうわけでもないので、五十歩百歩ではあるが。
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