普通の人生を送っている奴か憎い

俺は病気してから遊ぶようになった。
地位も名誉も女も金もなく会社では嘲笑される存在、友達もなく入院中も腰の曲がった母親しか見舞いに来ない8050の高齢童貞。
病室では一時チンポに管を入れられ、毎日看護婦にちっちゃな皮つきポークビッツの垢を哀れな目で拭かれてた。多分、看護婦の休憩所（ナースステーションではない）では笑いの種にされてたことだろう。
そのまま死んじまえばよかったが不幸にも癌が治っちまった。
会社は辞めたが仕事には運よくありつけた。どのみちもう先がないと、遊ぶようにした。それまでろくな遊びをしてなかった分、楽しくてしょうがないよ。
何度かキャバクラの姉さんと同伴してみたけどダメだね。キャバクラに戻るまでに既にいつもより３倍以上金を使っちまし、何より楽しくない。
俺の給料は平均よりずっと下だけど、親元で暮らしてるせいか、遊ぶ金は普通の人生を送っている人たちよりずっと多いようだね。
そういう俺を見て周りの人は憐れみと嘲笑が入り混じった（性格のいい人はそれをオブラートに包んだような）言葉を投げかけてくるが、俺は気にしない。
どのみち先は短い。

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